ベルギー生まれのノエ・乾のヴァイオリン・コンサートを聴いた。ピアノ伴奏者のマリオ・ヘリングともに未だ20代の若さで少年のような初々しさがのこる。ベートーヴェン、パガニーニ、イザイそしてフランクのプログラムは技巧を十全に感じさせるもので、瑞々しい感性が研ぎ澄まされ美しい演奏だった。

フランクのヴァイオリン・ソナタの第4楽章の美しいメロディーを耳にした時に私はふっと、浦山桐郎監督の映画「青春の門」のあるシーンとダブらせて聴き入っていた。

ストーリーは五木寛之の青春文学「青春の門」の主人公、伊吹信介がアルバイト先の令嬢に音楽会に誘われて、退屈なあまり不覚にも大イビキで眠ってしまった。ヴァイオリニストは第4楽章の一番心地よいメロディーのところで弾くのを止め、伊吹信介を睨みつけたのだっだ。

映画監督の浦山桐郎の妹は私が小学校のときの同級生だった。私の好きな映画監督の妹だと知ったのは随分後年になってからのクラス会だった。

当時、感性豊かな可愛らしい笑顔は、子どもながら心惹かれたものだ。今、私の机の上に来月開かれるそのクラス会の案内状が届いている。
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2012.10.23 / Top↑