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窪島誠一郎氏の「繪摘み」の出版記念会があった。信濃デッサン館・無言館の収蔵作品に珠玉のエッセーを添えた画文集。村山槐多の「猫を抱いた裸婦」作品がエリオグラビュール版画(銅版画の一種)で添付されている。マニアにはたまらない一冊である。

信濃デッサン館、無言館のある長野県上田市には、日本の美術教育を変えた「山本鼎記念館」がある。資料・文献入手で何度か訪れたことがある。そのたびに丘にあるデッサン館のカフェテラスで爽やかな風に吹かれながらの、ひとときは貴重だった。

窪島氏は、画家を夢見ながら若くして戦争で亡くなった画学生のこと、また東北大震災で命を失った人のこと、今なお原発事故で故郷に戻れない人々のことを思い、「不条理」だと怒りを込めて語った。

天満敦子氏は無言館で毎年秋にヴァイオリン演奏を続けているという。アンコール曲を含めピース(小品)ものばかり12曲は全てに「祈り」を感じるものであった。八番目に弾いた、中国地方の子守歌(山田耕筰編)をヴァイオリンで聴くのは珍しく、私の中の茫洋とした記憶がよみがえり懐かしかった。天満氏の独特のキャラクターと窪島氏の優しさが響きあうステキなコンサートだった。
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2013.04.26 / Top↑