原発反対ならば、せめてエアコンなしで、この夏をすごそうと猛暑と格闘した日々だった。今朝は急に涼しくなり夏の終わりを感じる。

随分前から、しまうことなく机の隅に置かれた一通の気になる手紙がある。友人の結婚の挨拶状だ。
「私たち二人は9月**日に結婚し、新しい道の第一歩を踏み出しました。私たちは固く一つに結びあうことにより、自分を大切に生かしながら、外に向かって大きく見開いてゆきたいと考えています・・・」
和紙に印刷された手紙の真ん中に、赤いバラと赤い太陽が描かれたオリジナル木版画が添えられている。希望に満ち溢れた人生の門出を祝う紙面で、余白に青インクの万年筆で「一度遊びに来てください」と書かれている。

その友人とは大学の卒業式の帰りに六本木で祝いを兼ねて食事をした。私は気分を良くしたせいか卒業証書を何処かにわすれてきてしまい、探し歩いたことがあった。

それから、半年後の九月に結婚しましたという手紙がいきなり届いた。電撃的な結婚だったのだろうと思うが、詳しいことは、本人からは訊いてはいない。ただ友人のなかでは華やかで理知的で目立った存在だった。

この手紙はアトリエの断捨離のおりに発見された。その時に何故か初めてショック受け、捨てずに今日まで机に置かれたままになっていた。つい先頃その友人が亡くなったことを知らされた。希望に満ち溢れた人生の門出の手紙は一転、時空を超えて絶望へ転換してしまった。「一度遊びに来てください」というメッセージも実行されることはなかった。

当時、夫君の仕事は某大学の原子力研究所の若き学者だったはずである。御用学者なら今頃有名になっていただろう。けれども幸いそうでもなさそうだ。原発近くの緑が日に日に少なくなっていくという。汚染水が入ったタンク置き場が無限にひろがっていく。、このままいくと日本中が汚染水のタンクで埋まってしまう。
... 続きを読む
スポンサーサイト
2013.08.26 / Top↑