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その年のサイトウ・キネン・フェスティバルに職場の同僚だった作曲家の江村哲二さんの作品が発表されるというので、会場で会おうと約束した。しかし彼と会うことはなかった。約束して5日後に彼は急逝した。溢れんばかりの才能と壊れそうなほど繊細な感性の持ちぬしだった。

今夏、久しぶりにサイトウ・キネン・フェスティバルに出かけた。
それは、シュトラウスの交響詩の演奏の最中のことだった。第一バイオリンの席で江村さんが演奏しているのに気づいた。どう見ても全ておなじだった。疑うこともなく私は江村さんの演奏を最後まで聴き入った。実に楽しそうに演奏していた。あり得ないことが私の中で起こっていることに私自身驚いていたのだった。

終了して楽団員が退席するときにステージの袖に行き、ある楽団員に訊ねた。「第一バイオリンのあの席にいた奏者は誰か」と。。。7年目にして果たした彼との約束のようだった。
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2013.09.08 / Top↑