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永井荷風の名作「濹東綺譚」に古本屋を訪れるくだりがある。
「この店をおとずれるのは古本の為ではなく、古本を鬻ぐ(ひさ)亭主の人柄と、廓外(くるわそと)の裏町という情味との為である」。。。
主人(あるじ)の独特なパーソナリティーに惹かれて行くわけである。私が画廊を訪れるのもこのような思いで訪れる場合が多い。画廊に展示された作品にはさほど重要性はないような気がする。それよりも独特なパーソナリティーをもつ店主と語りあうことのほうが尊く思うからである。しかし一家言ある主人の画商は近年めっきりすくなくなった。


入店することを拒否されているかのような佇まいの和食の店がある。都心にありながら店の案内は一切なく閉ざされた木戸の右上に小さく表札が掛けてあるだけである。

予約をとるのはかなり難しい。店主は頑固な職人気質のベテランをイメージするが、まだ40代前半と若いながら一家言ある料理人である。年に何度か海外から要請を受けて料理を作りに行くという。先頃もイタリアとイギリスへ。訊けば驚く要人の名前と海外メデイアが登場する。

店のエクステリアはぶっきら棒だがインテリアも土壁に木と畳みだけと無愛想だ。装飾品といえば、具体美術の作家の作品と私の作品が掛けられているだけである。和食の店に現代美術が妙にあうから不思議だ。とりわけ私の作品は思わぬ場所に掛けられているから誰しもが印象に残るという。






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2014.04.20 / Top↑