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先週末、アメリカの大学でギター奏法の研鑽をし帰国した時以来の友人であるギタリストのコンサートに出かけた。アンコールの最後に必ずタレガ作曲の「アルハンブラの思い出」を弾いてくれる。小品でよく耳にするギターの名曲だ、シンプルな曲のように思うがトレモ奏法を活用し高度なテクニックを要する難曲である。帰国したころにはコンサートを企画したりして応援をしてきた。今ではホールを一杯に出来るほどに成長し、鳴りやまない拍手に感慨深いものがあった。

私がギターの魅力を知ったのは、学生時代にJR高円寺駅南口から商店街を10分ほど歩いたところのアパートに住んでいたギタリストの演奏を聴いたのがはじまりだった。そのギタリストは小原安正という日本のクラシックギターの祖といわれた人の最初の弟子だといっていた。いつ行っても六畳のアパートでギターを弾いていた。プラスチック製のレコードプレーヤーでセゴビアやイエペスの演奏を聴かせてくれた。

演奏が一旦終わると必ずおやつ代わりに信州そばの出前をとってくれた。当時いつも腹を空かしていた私にはそれが楽しみで行くようなことでもあった。年齢は不詳だったが当時、イエペスのように頭髪はなく、私より一回り以上は年上の感じだった。演奏もさることながら、ダダ的な文学の話や政治の話をよくしてくれ常に挑発的な会話に引き込まれた。大学の授業よりはるかに面白く一時期はその人のアパートに入り浸りで、やがて出入りは玄関口からではなく窓を乗り越えて直接部屋に出入りするようになった。有名な大学を二つも卒業しているというのに演奏とかで働きに出かける姿を見たことも聞いたこともなく不思議でならなかった。
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2017.05.30 / Top↑