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古民家をリノベーションしたイタリア料理店を久し振りに訪ねた。京都の町屋を彷彿させる情緒あふれる佇まいと雰囲気はビルが林立する殺風景な都市空間にはほっとする贅沢な空間だ。案内され席に着き料理を待つ間、壁に掛けられた二点の木版画が目にとまり、私は席を立ちポケットから車のキーに付けられた小さな懐中電灯を取り出し版画に記されたサインを確認した。挙動不審な動きに若い店員が私を不思議そうに注視しているようだった。私が川上澄生の作品であることを告げると、店員はオーナーの趣味だと笑顔で話してくれた。

棟方志功が木版画を始めたのは川上澄生の「初夏の風」という作品に触発され猛然と始めたという。かって、そのことを津軽弁で語ってくれたことがあった。「かぜとなりたや はつなつの かぜとなりたや かのひとのまえに・・・」。この詩は「初夏の風」に彫られた詩で、「かのひと」とは川上澄生の初恋の女性だったという。

ほかにも竹下夢二の作品も数点飾られていた。竹下夢二は「宵待草」で一世風靡した恋多き人生であった。130年ほど前の古民家に大正ロマンの作品はよく似合う。作品に思いを馳せながらの食事は一段と料理が美味しくもあり粋な時を過ごすことができたのだった。
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2019.02.18 / Top↑