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 哲学者の久野収氏が回顧録で、戦前におきた滝川事件の特色について、危険思想とか嫌疑ではなく国家に批判的な態度をとる学者たちの思想内容に及んだ点であると回想している。今回発覚した日本学術会議会の任命拒否の問題とよく似ている。気に入らない人間を理由も語らず排除するという独裁的思考は行先が不気味な事件だ。

美術史家の高階秀彌氏が過日、某新聞にギュスターヴ・クールベの「秋の海」について寄せていた。
ボード―レール、ヴェルレーヌの詩を引用し、過ぎ去った夏への抑えがたい思いを綴った文章は感動的だった。
高階秀爾氏がフランス留学から帰国して間もない頃、西洋美術史の講義を受けたことがあった。黒板に書かれる文字がフランス語が多く、フランス語が得意だった雙葉学園出身の友人に同時翻訳してもらいながらの受講は学生時代の印象深い想い出である。海外生活の長い友人たちは歳のせいか望郷に掻き立てられ帰国をする人が多い。翻訳してくれたパリに住む友人も昨年の暮れ頃には日本に帰ると、便りがあったきり連絡が途絶えている。再びコロナウイルス感染の猛威にさらされているパリ。心配が募る想いである。
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2020.10.20 / Top↑