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私の住む街は戦後大規模な区画整理事業によって市内の多くの墓地が東部丘陵地に移転した。彼岸の入りには墓参りの人々で混み合う。丘の上に立ち墓地の風景を見渡す度に林立した墓石は、まるで都市の高層建築が林立するディオラマ風景を見るかのようである。戦前、戦後の名建築を壊し新しい高層ビルが経済成長の証かのように、また都市の権力の象徴かのように建てられていく。都市の風景は私には墓場のように見えてならない。

かって、日本で最初に高層ビルを設計しそのビルに事務所を構えた建築家の池田武邦氏がある日、五十階の事務所から一階に下りてみると外は雪が降って、そのとき初めて高層ビルは自然と乖離していることに気付いたという。以降、人工的な空間は人間を駄目にすると、風土に根付いた文化の伝承に努め、自然との協調した生活を大切にすることにしたという。人間は自然から遠のくほどストレスをうけ易いといわれる。

養老孟氏はよく現代人に新参勤交代論を勧める。人工的な都市空間での生活は鬱が心配だという。それの解決方に都市と田舎の往復居住を提唱している。すぐには二地域居住は無理だろう。せめて週末にでも木々に囲まれた森の中でフィドンチッドを浴びながら散策するだけでも心の平安を得られる..。
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2021.03.22 / Top↑