FC2ブログ
個展会場に入てすぐに「権力の座」とう黒御影石で作られた抽象彫刻の作品のキャプションが目に飛び込んだ。そこには、その作品がある展覧会で出品を拒否された作品と書かれていた。理由は題名が政治的に危うさをイメージするからだという。まるで戦時中の話でも聞いているかのようだった。

後年、同じ題名の作品を「日中交流美術展」に出品したという。けれどその展覧会から数年経つた今も作品の反応も返却も無いままだという。

ピカソは「ゲルニカ」を描いてナチを激しく批判した。チェリストのカザルスはフランコ将軍の独裁政治に抗議して演奏活動を拒否し続けた。。。芸術の原点に不条理や理不尽な権力と向きあうヒューマンな怒りは大切だとおもう。

かって冷戦時代にソ連のフルシチョフ首相がアメリカの抽象絵画をブタの尻尾で描いた画ようだと語った。独裁にとって自由は最大の敵だ。

前出した「権力の座」の作者は1937年生まれだ。大学を卒業してから10年余りアメリカに渡り表現の多様性と石の彫刻を学び、帰国してからも国内外で石の彫刻を作り続けている。

一昨年の高松国際石彫ビエンナーレでは40日間現地に滞在して4メートルの巨石と格闘した。その前年にはドイツの彫刻シンポジュームで30日間滞在しヨーロッパの若い作家たちにまじり制作してきたという。77歳になろうという彫刻家は今回の個展で言いたかったのは拒否された作品の展示と日本は今戦前のようになりつつあるということだと語った。


拒否された作品が展示されている和泉俊昭展:石彫7月2日ー7月30日。ArtSalon金工堂。電話052-961-0154。土、日休廊。水曜日以外は作家在廊とのこと、話が聞けます。

ニューヨーク在住の作家、河原温さんが亡くなった。フランスで活躍した菅井汲さんと20世紀の世界の美術史に残る数少ない日本人作家だ。私にとって若い頃からの憧れの作家だった。


岩手県に窯を構える泉田之也氏の陶展は造形が素晴らしく美しいものだった。シンプルで繊細で日本の折り紙を連想させる造形美。朝日陶芸展で2度のグランプリを受賞。中田英寿氏が立ち上げた日本文化の再発見ブロジェクトでも紹介されている。
私には泉田さんが岩手県在住だと聞きとりわけ親しみを覚えてしまった。本当は陶芸でなく他の話がしたかった。7月12日ー7月27日ギャラリー芽楽。電話052-702-3870。土、日休廊。

岐阜県瑞浪市にある瑞浪芸術館へ友人の高北幸矢さんの展覧会を観にいった。心癒される作品だった。建物は古い茅葺の民家を移築したいにしえを感じる素敵な建物で庭園で美味しい珈琲を啜りながら1時間ぐらい話し込んだ。ピアニストが来館中で少し演奏してくれた。門塀に鉄板が赤錆を出し面白いと思った。アメリカのリチャード・セラの作品かと思ったがそうではなかった。7月12日まで。

ジャン・フォートリエ展を観に豊田市美術館へ行った。ゲシュタボに逮捕されてから描かれた「人質シリーズ」は人間への暴力を告発するもので、厚く塗られた素材感とともに強く迫ってくる。久しぶりに立ち止まる作品だった。
レセプションの日で招待客は少なかった。日本有数の企業のあるお膝元、もっと財界人に文化に興味を持ってもらいたいと思う。今日本はお金の儲かることだけに邁進して経済成長だけの考えで動いている。人間とは何か、何も考えていないように見える。9月15日まで。その後改修工事の為1年間閉館とのこと。殺風景な街のオアシスでもある当美術館が1年間閉館するのは驚きである。事情はあるだろうが、一部の名作を観られるような対処はすべきだ。
スポンサーサイト
2014.07.13 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://kuniakiyamamura.blog111.fc2.com/tb.php/135-5f5e65bc