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表題の「美丘」は直木賞作家、石田衣良氏の作品である。テレビでドラマ化もされ有名だ。青年の魂を燃やしつくすラブストリーだが、物語りの終盤に唐突にアルフレッド・アドラーの話が出てくる。フロイトのいうトラウマを否定し、人間は過去よりも希望や未来の目標が人格をきめるという。アドラーの心理学思想は今の私にはよくわかる。

かって、カール・ユングの国、スイスで個展をしたおり、メディアは私の作品を「マンダラ」と評した。思いもよらぬ論評に困惑した。ユングのいうマンダラの意味については私は学んできたつもりだった。私の本格的な制作活動は20代半ばから数年間続いたマンダラを描き終えてからである。ある意味ではその期間は私にとって表現者への準備期間、あるいは治療期間だったのかもしれない。マンダラを描き終えた以後はフロイトのリビドーによるエネルギーの表出。そして、抽象表現主義における東洋的思考の真っ只中での「マンダラ」の指摘は辛いものだった。しかし自己認識において、20世紀の三人の偉大な精神医学者は私の創造活動の進化と深化には欠かすことの出来ない思想家たちである。

私の作品のコレクターにある著名な心理学者がいる。とても嬉しいことだし光栄におもう。だが何故、私の作品に興味を抱きコレクションしたか理由を訊くことはなかった。いつか機会をつくって訊いてみたいと思う。アドラーは人間にとって重要なのは主体性ではなく未来をみる創造性だという。。。日本を再び戦争の出来る国にしてはならない。

チョコレートのこと

ベルン美術館へ行く車中で、青年が私に次の駅の近くに美味しいチョコレートの店があり買いに行くのだと話してくれた。私もその青年について降りたが駅前は閑散とし緑に囲まれた林ばかりで、店らしきものはみあたらなかった。けれど、多くの人々が古びた建物のまえに行列しているのが見え、行ってみると古ぼけた看板に「チョコレート職人の家」と記された店があった。都会の綺麗な店で買うような包装紙とパッケージではなく、上等ではない白紙で丁寧に美しく包んで渡してくれた。その時のミルクチョコレートの味は特別だった。スイス、ベルギーはチョコレートが美味しい。

若いころ、職場の友人とバレンタインの日にどれだけチョコレートが届いたか競い合った。ある年に友人はバケツ一杯貰ったと私に自慢したことがあった。それを見ていた助手がバケツ一杯の裏話を聞きつけ私に教えてくれた。それを聞いた私は助手に安物のチョコレートを一杯買ってきてもらい、友人と勝負をした数のうえでは僅差ながら私のほうが多かった。
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2016.02.08 / Top↑
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