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死んだ弟を背負い、焼き場で口を一文字にして悲しみに堪え、直立不動の姿勢で順番を待つ少年を撮影した、写真家ジョー・オダネル氏に生前会ったという人物に話を訊いた。アメリカから取り寄せたオダネル氏の写真集も見せてもらった。

オダネル氏は1945年8月9日、長崎に原爆が投下された直後アメリカの調査団の一人として来日し爆撃後の長崎を撮影した。その時個人用のカメラで30枚の写真を秘密裡に撮ったという。その中の一枚の写真が「焼き場に立つ少年」だった。一見、子どもを背負う何の変哲も無い写真のようだけれども、目に飛び込んでくる画は原爆の恐ろしさを想起させる衝撃的な写真だ。

先日、長崎へ所用で行った。原爆資料館など原爆が投下されたエリアを歩いてみた。原爆の語部が平和公園広場でスケッチブックに静岡県の浜岡原発が事故を起こしたらどうなるのか、原爆の恐ろしさをシュミレーションした絵を描いて観光客や修学旅行生らに語り続けていた。私はしばらくその場に立ち尽くし聞き入っていた。

丘の上に聳え立つ浦上天主堂は爆撃を受けてから逸早く再建されたという。日米の政治的背景が教会という廃墟を撤去させたという。今の天主堂には僅かな爆撃の痕跡は残されているものの、広島の原爆ドームのような後世に原爆の恐ろしさ、悲惨さを伝えられるものは感じられなかった。

ジョー・オダネル氏は秘密裡に撮影した真実の写真を43年間自宅の屋根裏に隠し続けたが、晩年に原爆の恐ろしさを人類に伝えるべき封印を解き公開した。

権力は何故か悪を擁護し隠蔽する。けれども真実は必ず明るみに出る。日本の政治が経済優先ではなく命を優先する方向に舵をきってほしいと願う。


空いた時間に長崎に住む学生時代の友に会った。東京で別れて以来初めての再会だった。約束の浦上駅前で友は手を振って私を迎えてくれた。過ぎ去った膨大な時間は一瞬に消えた。人とのつながりは心の在り方次第だと、我ながら驚き感激した。
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2012.11.16 / Top↑
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