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れえぬ女性たちは、五木寛之の青春文学である。著者が来名の折にサインをしてもらつた思い出の本だ。独特の筆遣いで「一九八六年一月三十一日五木寛之」と記されてある。

フィンランド、スペイン、フランス、ペルシャ、ブラジル、韓国、ソ連、ノルウエー、ポルトガル、ブルガリア、アメリカ、スエーデン、チェコ、ドイツ、オランダ、イギリス、タヒチなど異国で出逢った女性達を感動的に綴ったものだ。

第六章の「青桐の庭」に登場する韓国の少女は、五木寛之の幼いころのの思い出を集めて「旅の幻灯」を書いる。五木文学の原点ともいわれる。

第七章の「バイカル号の一夜」に登場するロシア女性との出逢いの想い出を「星のバザール」という作品に書かれている。当時、海外旅行の大半はまだ船を利用していた。横浜を出港するときに「ともしび」の曲が流れていたようであった。あのころはなぜか、ロシア民謡が流行っていた。

第九章の「夜の酒場のファディスタ」に登場するリスボンの女性との出逢いでは「暗いはしけ」というタイトルの物語となっている。

五木文学は美しい女性との感動的な出逢いの中に多くの作品の原点とエネルギーがあるように思う。


最後の二十四章では「いま日本の女性たちは」というタイトルで書かれていて、次のような文で締めくくられている。

「日本人というのは、なにか、とても不思議な気がします。世界の中でも非常に特殊な国民ではないでしょうか。
中でも、男性のほうが、より変わっているように思えます。毎日の暮らしの中で、自分たちは当たり前のように思っているけれど、世界の中にぽんとおいてみると、日本の男というのは実に不思議な、例外的な存在かもしれません。本当の意味で男になりきっていない、まだ子供のような甘ったれた存在かもしれない、ということが、二年近く、シリーズで世界の女性の話をしながら、ぼくが最後に考えたことです」。

また「日本の男としては、もう少し外へでてみるべきではないかと思います」と述べている。




 










今日も一日アトリエでの制作を終え、夕方帰宅途中に畑仕事をしていた近所のおじさんから「センセイ」と声をかけられ、畑から立派な大根を三本抜いて渡してくれた。なんだかとてもいいものを貰ったような幸福感を味わいながら帰宅したのだった。
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2011.02.27 / Top↑
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